プロマネ必見!システム導入PJにおける業務機能一覧(BFC)の作成方法

DX・プロマネ

良いシステムを作るには、システムを設計する前段階で、業務の観点から必要な検討事項を洗い出し、それらの検討結果をシステムの設計者・開発担当へ正しく伝えることが重要です。
その為に作成する成果物が業務フロー図や業務機能一覧です。

業務フロー図と比較して、業務機能一覧はあまり聞き慣れないかもしれませんが、個々の業務の具体的内容や詳細要件を定義したドキュメントで、基本的にExcelで一覧表形式で作成します。

本日のお題は、システム導入PJにおける業務機能一覧の作成方法についてです。
尚、業務フロー図の作成方法は以下で紹介しているので、こちらも合わせてご覧ください。

それでは一緒に学んでいきましょう。

業務機能一覧とは?

業務機能一覧は、システム導入PJの業務要件定義フェーズにおける成果物の1つで、業務フロー図上の個々の業務に対する詳細を一覧形式で記述したドキュメントであり、業務フロー図とセットで作成されることが基本です。

業務フロー図は主にPowerPointで作成しますが、業務機能一覧は基本的にはExcelで作成します。

また、業務機能一覧はBusiness Function Chartとも呼ばれ、BFCと略されます。
似たような用語として、BPF(Business Process Flow:業務フロー図)やSFC(System Function Chart:システム機能一覧)がある為、混同しないように留意が必要です。

業務機能一覧の主な構成

PJによって項目に違いはありますが、業務機能一覧で定義する代表的な項目を紹介します。
業務機能一覧はシステム要件定義の重要なインプットとなるので、作成に着手する前にシステム担当者と定義する項目を擦り合わせることが必要です。

業務ID

個々の業務ごとにIDを付与します。
業務フロー図との紐づけの役割を担う為、業務フロー図上の各業務にも同じIDを付記し、両者を紐づけます。

業務の階層(業務名)

通常、個々の業務は階層構造で表すことが出来ます。(例:決算業務 > 月次決算業務 > 販売実績集計業務 等)
業務フロー図もその階層構造に従って作成することが通例であり、業務フロー図と同じ階層構造を業務機能一覧でも記載します。
尚、業務の分類は「大分類」・「中分類」・「小分類」や「Lv1」・「Lv2」・「Lv3」等、おおよそ3階層で表す場合が多く、最下層の各業務に対して、具体的な要件を定義します。

各業務の詳細内容

個々の各業務に対し、業務フロー図だけでは書き表せない具体的内容を記載します。
ベンダーをはじめとしたシステム担当のPJメンバーが、定義された内容を理解できることが重要なので、定義内容の分かりやすさや充足具合を、システム担当のPJメンバーとも擦り合わせながら定義することが肝要です。

各業務の担当部門

小分類の業務(個々の業務)を実施する担当部門を記載します。
基本的には、業務フロー図で定義済の内容を、業務機能一覧へそのまま記載します。

業務の対象システム

個々の各業務を行うシステムを記載します。
全体像を示すため、新規に導入するシステム以外も含めて記載します。

各業務におけるインプット/アウトプットデータ

システムで業務を処理するには、そのもととなるインプットデータと、業務の結果生じるアウトプットデータがあり、それらのデータを記載します。
IPO(=アイポ、Input・Process・Output)のフレームワークにおける、”I”と”O”を定義することと同じ意味合いです。

業務でアウトプットするレポート

業務でレポートの生成が必要な場合、生成するレポート名を記載します。
各レポートにおける管理項目などの詳細要件は、業務機能一覧とは別のドキュメントで定義する場合が多い為、業務機能一覧上は基本的には必要なレポート名のみ記載すればよいでしょう。

業務機能一覧作成におけるポイント

最後に、業務機能一覧を作成する上でのポイントを3点紹介します。

業務担当者だけでなく、システム担当者も巻き込んで作成する

業務機能一覧は、業務プロセスを設計するうえで作成するドキュメントであり、基本的には業務担当者が中心となって検討しますが、システム要件定義以降でシステムの機能や設計を検討する上での重要なインプットとなるので、システム担当者も業務機能一覧の内容を十分に理解することが重要です。

一方で、業務機能一覧をどれだけ緻密に作り込んでも、文章だけでは認識違いや理解不足はどうしても生じてしまいがちです。
そのため、業務機能一覧が完成して初めてシステム担当者にお披露目するのでなく、業務機能一覧の作成段階からシステム担当者も巻き込むことで認識違いや理解不足を避けやすくなり、結果としてシステムの品質担保や手戻り回避に繋がります。

他の業務領域の検討内容との整合性を担保する

特に大規模なシステム導入では、例えば生産・会計・営業など、特定の業務領域ごとに検討メンバーが分かれて、各領域の業務プロセスを検討します。
一方で、それぞれの業務領域は完全に独立しているのではなく、どこかで互いの領域に関連する業務があります。(例えば、営業が販売すると、会計で売上処理が実行される 等)
そのような互いの領域に関連する業務は、業務領域間で定義内容に不整合が生じると、全体としての業務プロセスが成立しなくなります。

従い、業務機能一覧に限らず業務フロー図でも同じことが言えますが、他の業務領域における検討内容との整合性を担保しつつ、業務機能一覧を作成することが重要です。
その為に、他の業務領域の検討メンバーに、自身の業務領域の検討内容(特に互いに関連する業務に関する検討内容)を共有し、不整合が生じていないかを随時チェックしながら、業務機能一覧を作成することが重要です。

使用する用語を統一する

業務機能一覧に限りませんが、同じものに対して使用する用語は1つに統一することも重要です。
特に業務機能一覧は記述量が多い為、油断すると、同じものに対して複数の用語が用いられてしまいがちになります。
分量が多くて大変ですが、用語が統一されているかという観点からも、第3者の客観的な視点等も借りて、しっかりチェックすることが肝要です。

 

この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。

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