ステータスレポートを活用して、効果的にプロジェクトを管理しよう

DX・プロマネ

プロジェクトを円滑に運営していくには、関連するステークホルダーと適時適切な情報共有が必要であり、そのために用いるツールの1つとしてステータスレポートが挙げられます。
ステータスレポートは多くのプロジェクトにおいて進捗管理ツールとして取り入れられており、課題管理表やWBSなどと同様に、プロジェクト運営上の重要なツールの1つとも言えます。

本日のテーマは、プロジェクト管理におけるステータスレポートの作成方法についてです。
プロジェクトによってステータスレポートの形式は異なりますが、ステータスレポートに盛り込むべき要素やポイントについて扱います。

それでは一緒に学んでいきましょう。

ステータスレポートとは?ステータスレポートの概要

ステータスレポートとは、その名の通り、プロジェクトのステータス(=状況)をレポートする(=報告する)ドキュメントのことで、プロジェクト管理ツールの1つです。
ステータスレポートの概要を、活用主体・作成粒度・作成頻度の観点から見ていきましょう。

まず活用主体について、例えばWBSや課題管理表などは、主にワーキンググループ内の各担当者がタスクや課題を管理する為に活用します。
一方でステータスレポートは、自身のワーキンググループ内というよりも、プロジェクト責任者やプロジェクトリーダー等に、自身のワーキンググループの状況を把握してもらう為に作成します。

次に作成粒度について、ステータスレポートは主にマネジメント層に対して作成するレポートの為、WBSや課題管理表などよりも粒度粗く、ポイントを絞った形で作成します
具体的に言えば、例えば進捗に関しては、WBSは個々のタスク単位で進捗を可視化しますが、ステータスレポートは主にタスクを括った矢羽根単位(マスタースケジュールの矢羽根単位など)で進捗を可視化します。
また、例えば課題管理に関しては、課題管理表は個々の課題毎に対応状況等を可視化しますが、ステータスレポートはプロジェクト運営においてクリティカルな課題に絞って対応状況を報告します。

さらに作成頻度について、WBSや課題管理表など主にワーキンググループ内で活用するツールは、日次など高頻度で更新しますが、ステータスレポートは月次・隔週・週次など、低・中頻度で作成します
実際のプロジェクトでは、ステータスレポートは、月次など一定の間隔で実施するプロジェクト横断の進捗共有会などの会議体にあわせて作成する場合が多いです。

このように、WBSや課題管理表などは担当者が詳細内容を日々管理するツールであることに対し、ステータスレポートはマネジメント層が概況を定期的に把握するためのツールと位置付けられます。

課題課題表については、以下の記事で紹介しているので、よければご覧ください。

ステータスレポートの構成および作成上のポイント

それでは、ステータスレポートの具体的な構成やポイントについて見ていきましょう。
ステータスレポートの内容は、プロジェクトで何を管理するかによって変わる為、プロジェクトに応じて構成要素や立付をアレンジする必要がありますが、ここではステータスレポートの一般的な構成要素を挙げていきます。

① 進捗状況

自身のワーキンググループで立案した計画に対する進捗状況を表記します。
既述の通り、進捗状況は、WBSのような個々のタスク単位ではなく、ある程度タスクを括った矢羽根に対して可視化します

進捗状況を可視化する手法は様々ありますが、イナズマ線による可視化は、ステータスレポートを作成する上でよく用いられる手法の1つです。
従い、ここではイナズマ線を挙げますが、以下の例における赤線がイナズマ線であり、矢羽根に対して線が垂直であればオンスケ、左に屈折していれば遅延、右に屈折していれば前倒ししていることを表します。

② RAG Status

RAG Statusとは、現状を視覚的に表した信号で、スケジュールをはじめ、コスト、リソース、スコープなど、計画に対する現状を把握したい要素に対して用います。
Red(赤)、Amber(黄)、Green(緑)の頭文字からRAG(ラグ)と呼ばれており、赤は問題あり、黄は注意が必要、緑は計画通りを表します。

各色の定義はプロジェクトによって若干異なりますが、例えばスケジュールやコストに対するRAG Statusの定義は、以下のようなイメージです。

実際にステータスレポートにRAG Statusを記載する際は、以下のように、各要素毎に記号で表記します。

③ 課題件数

ワーキンググループが抱えている課題の規模感を把握できるよう、ステータスレポートに課題件数を表記します。
課題件数は、以下のように課題の優先度やステータスなどの切り口で課題を分類し、各分類毎の課題件数を集計します

また、例えばソフトウェア開発など、課題が多く発生するプロジェクトでは、ある時点における課題件数だけでなく、収束/増加傾向など課題件数の推移を把握する為、グラフなどを用いて時系列で課題件数を表記する場合もあります。

④ 課題の状況

③で課題件数を可視化したことに加え、現時点における各課題への対応状況も文章で記載します。
既述の通り、ステータスレポートには1件1件の課題について詳細に記載するのでなく、ポイントを絞って記載することが重要なので、対応状況を記載する課題は、プロジェクト運営においてクリティカルな課題や、他のワーキンググループの進捗にも影響を及ぼす課題に絞ります
また、既存課題への対応状況に加え、新たに発生した新規課題の具体的内容や対応方針についても併せて記載します。

⑤ 直近の活動実績および今後の活動計画

前回の報告後から今回の報告迄の間にワーキンググループで実施してきたことや、今後実施を予定していることを記載します。
ここでも④と同様に、1つ1つの実施事項を詳細に記載するのではなく、ポイントを絞って記載します。

ステータスレポートのフォーマット例

最後にステータスレポートのフォーマット例を取り上げます。
前章で挙げた各要素をマージして、ステータスレポートのフォーマットを作成します。

マネジメント層が把握したい事項に応じて、フォーマットは適宜アレンジする必要がありますが、RAG Status、スケジュール、課題件数等のように視覚的に素早く把握できる情報はレポートの左側に纏め、活動状況や課題状況等のように読み込みが必要な情報は右側に纏めて記載するなどの工夫を加えることで、プロジェクトの概況を素早く把握してもらいやすくなるでしょう。

 

この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。

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