コンサル未経験者で大手コンサルファームに転職するには、超大手企業や政府系機関の出身じゃないと難しいでしょうか?私のように有名企業出身じゃなくても大手コンサルファームに転職できる方法はないでしょうか?
未経験で転職してきた同僚コンサルたちを見ると、確かに有名企業出身者が多いようには感じます。ただ、戦略次第では有名企業出身でなくても大手コンサルファームへの転職は充分に可能です。具体的に紹介していきます。
コンサル業界の転職難易度
大手コンサルファームに限らずコンサル業界の転職難易度は非常に高く、例えば外資戦略系ファームへの転職での内定獲得者は凡そ100人に1人とも言われています。
時期によってバラツキはありますが、私が在籍しているユニットでも、毎月の中途入社者は、コンサル経験者含めて1~3名程度という感覚です。
コンサルはクライアント企業だけでは解決できない課題に対峙する必要があり、それだけの知見や思考力が求められる為、どうしても転職難易度は上がってしまいます。
新卒・中途では違うとは思いますが、2023年の就職難易度ランキングのトップ100にも、いくつかのコンサルファームがランクインしています。
1 | マッキンゼーアンドカンパニー | 51 | 双日 |
2 | ボストン コンサルティング グループ | 52 | 三菱UFJ銀行 |
3 | 三菱商事 | 53 | アクセンチュア |
4 | 住友商事 | 54 | ソニーグループ |
5 | 富士フイルム | 55 | 三井住友銀行 |
6 | 三菱地所 | 56 | ブリヂストン |
7 | 三井物産 | 57 | 味の素 |
8 | 日本政策投資銀行 | 58 | フジテレビジョン |
9 | 三井不動産 | 59 | エーザイ |
10 | P&Gジャパン | 60 | NTTデータ |
11 | 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ | 61 | 中外製薬 |
12 | 伊藤忠商事 | 62 | スカパーJSAT |
13 | 講談社 | 63 | アステラス製薬 |
14 | デロイトトーマツコンサルティング | 64 | NHK |
15 | 日本経済新聞社 | 65 | 三菱ガス化学 |
16 | INPEX | 66 | 小学館 |
17 | KADOKAWA | 67 | キッコーマン |
18 | 東京建物 | 68 | 武田薬品工業 |
19 | PwCコンサルティング | 69 | バンダイナムコエンターテインメント |
20 | 東京ガス | 70 | 住友化学 |
21 | 川崎汽船 | 71 | ENEOS |
22 | 電通 | 72 | 農林中央金庫 |
23 | 東宝 | 73 | 旭化成グループ |
24 | アビームコンサルティング | 74 | 長瀬産業 |
25 | 日本テレビ放送網 | 75 | 共同通信社 |
26 | 丸紅 | 76 | リクルート |
27 | TBSテレビ | 77 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
28 | テレビ朝日 | 78 | DeNA |
29 | 日本郵船 | 79 | 読売新聞社 |
30 | 野村不動産 | 80 | みずほFG |
31 | 野村総合研究所 | 81 | 大阪ガス |
32 | テレビ東京 | 82 | JT |
33 | 集英社 | 83 | 日本IBM |
34 | 東レ | 84 | KDDI |
35 | 三菱UFJ信託銀行 | 85 | 楽天グループ |
36 | MSD | 86 | 花王 |
37 | 第一三共 | 87 | 住友不動産 |
38 | 商船三井 | 88 | 野村証券 |
39 | AGC | 89 | 千代田化工建設 |
40 | 東急不動産 | 90 | 王子グループ |
41 | SMBC日興証券 | 91 | アサヒビール |
42 | アマゾンジャパン | 92 | ライオン |
43 | 豊田通商 | 93 | NTT(持ち株会社) |
44 | サントリーグループ | 94 | あおぞら銀行 |
45 | 日本証券所グループ | 95 | 日立製作所 |
46 | 塩野義製薬 | 96 | キーエンス |
47 | 大和証券グループ | 97 | オリンパス |
48 | 江崎グリコ | 98 | DIC |
49 | 毎日放送 | 99 | 住友ファーマ |
50 | オリックス | 100 | JR東日本企画 |
大手コンサルファームの選考で求められるスキル
年齢によって、求められるスキルは若干異なります。
選考ではあらゆる角度から評価され、すべてを挙げると多くなる為、ここでは概要を紹介します。
第2新卒や20代前半~中盤では、ポテンシャル採用がメインなので、業界知見や業務実績よりも、論理的思考力をはじめとしたベーススキルが重視される傾向にあります。
20代後半では、ファームによってはポテンシャル採用の枠に入りますが、一定の社会人経験も積んでいる為、20代前半・中盤と比較して、現職での業務実績も求められるようになります。
30代前半になると、現職での実績も求められますが、その成果がコンサルでも活かせるかという再現性の有無が問われる傾向があります。
また30代前半では部下のマネジメントに携わり始める年齢層でもあるので、部下の指導・管理経験も問われるようになります。
更に特定の業界や業務に対する尖った専門性も有利になります。
コンサル転職の面接における質問事例を以下記事で紹介していますので、よければご覧ください。
コンサル未経験から大手コンサルファームへの転職に向けた戦略
ここまで述べると、コンサル未経験で特筆するスキル・実績・専門性がなければ、大手コンサルファームへの転職は難しい印象を受けるかもしれません。
近年は各ファームともに積極採用しているとは言え、採用ハードルが下がったわけではなく、狭き門であることに変わりはありません。
ただし、方法によっては大手コンサルファームへ転職できる可能性を上げることは出来ます。
具体的な方法を2つ紹介します。
現職で社内プロジェクトに参画する
プロジェクトがクライアント企業で行われる以上、プロジェクトにはコンサルタントだけでなく、その企業の社員も参画します。
こちらの記事で紹介した通り、コンサルファームの面接ではプロジェクト経験やそこでの成果が問われます。
従って、社内プロジェクトに参画して、そこで一部領域でもリーダーのような重要な役割を経験することは、大手コンサルファームの選考にあたり、大きなアピール材料となります。
ただ、常に社内プロジェクトがあるとは限らず、また社内プロジェクトがあっても、それに参画できるか、自身の志向に合致する内容かは、自分ではコントロールできないことは欠点です。
なので、自身の志向に合う社内プロジェクトに参画できた場合は、そこで経験を積み、それが実現できない場合は他の方法も見据えることがよいでしょう。
大手より採用ハードルが低いファームに転職し、コンサル経験を積む
次に紹介するのがこの方法です。
ファームにより多少の違いはあると思いますが、ファーム側は即戦力を採用したいので、未経験者よりもコンサル経験者を優先採用したいというのが本音です。
戦略・業務・ITなどコンサルティング領域は様々ありますが、領域が同じであれば、ファームによらずコンサルとしての働き方はさほど変わりません。
従って、大手ファームと比較して採用ハードルが低いファームでも、そこで経験を積めば、大手ファームの選考対策になりますし、大手ファームへの転職後もスムーズに立ち上がり易いです。
私は中堅ファームを経て大手ファームに転職しましたが、未経験時とコンサル経験時では書類選考や面接の通り易さが格段に異なりました。
従って、大手ファームに挑戦する前に、ファームを選ばずにまずはコンサルタントになって経験を積むというステップを設けることは効果的です。
また、未経験で事業会社から大手ファームに転職する場合は35歳までが一つの区切りですが、コンサル経験者は基本的に年齢制限がないこともメリットです。
但し、小・中規模ファームなど大手ファームより規模が小さいファームで経験を積む場合、以下には留意することが必要です。
- 大手ファームと比較して採用ハードルは下がる傾向はあるが、コンサル転職に変わりはないので、十分に選考対策をする必要はある。
- 社内インフラや社内ナレッジの管理、待遇面で大手ファームほどは整っていない場合がある
- 大手ファームの面接では、コンサル経験者でも現職の経験は深堀されるので、コンサル経験者というステータスだけで自動的に採用されるわけではない
MBAや難関資格を取得するべきか
コンサル転職のためにMBAを取得すべきか?という相談は一定数あるようです。
特に海外MBA取得は、MBBをはじめとした外資系戦コンであればアピール材料になるでしょう。
しかし海外MBAの場合、例えば米国アイビーリーグのMBAは学費だけで700~1,000万円程度、生活費含めると2,000万円程度は必要になると言われています。
入学試験に向けた勉強時間の確保も必要ですし、フルタイムMBAの場合は在学期間に実務経験を積めない等のデメリットがあることは認識すべきです。
Big4等のファームに関してはMBAホルダーはあまり見かけませんので、MBAはアピール材料にはなると思いますが、必須要件でもない為、デメリットも鑑みると選考対策としては過剰と言えるでしょう。
では公認会計士など、難関資格を取得することはどうでしょうか?
ユニットによっては、応募要件に資格が記載されていることもある為、難関資格の取得も一定のアピール材料にはなります。
しかし以下記事でも紹介した通り、どのような資格を取得しても結局は実務経験が優先され、資格により自動的に採用とはならないことは留意が必要です。
ただ、例えば公認会計士資格を取得し、監査法人などで実務経験を積んで大手ファームに転職する人も一定数存在する為、資格取得とキャリアステップをうまく組み合わせることは効果的でしょう。
学歴は選考でのアピール材料になるか
外資系戦コンは中途でも学歴が重視され、国内大学では東京一工や早慶の出身者は、学歴だけで書類選考は通るとも言われています。(もちろん、必ずではないですが)
Big4等の大手ファームは中途採用での応募数も多いので、外資系戦コンほどではなくても、書類選考の段階である程度は学歴を判断基準としていると想定されます。
従って、学歴はあるに越したことはないですし、大手ファームで選考の土台に上がるには、少なくともMARCH以上の学歴はあるべきと認識しておくべきでしょう。
しかし、学歴が重視されるのは基本的に書類選考の段階までで、特にある程度の社会人経験を積んでいれば、面接以降では学歴は然程アピール材料にはならないことも認識することが必要です。
この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。