転職志望者必見!コンサル転職のメリットと認識しておくべき現実

コンサル転職

コンサル転職は難易度が高いですが、せっかく狭き門を潜ってコンサルになれたとしても、コンサルへ転職したことを後悔する人もしばしば目にします。
要因は様々ありますが、その1つとしてよく挙げられるのは、入社前後での理想と現実のギャップの大きさです。

コンサル転職に限らず、転職先で後悔しないよう、その業界の実態を知ることは重要です。
この記事ではコンサルへの転職によるメリットと、認識しておくべき現実を紹介します。
全てが網羅されているわけではありませんが、いち現役コンサルの生の声として参考にして頂ければと思います。

コンサルへの転職によるメリット

人によって感じるメリットに若干の違いはあると思いますが、私自身の経験をもとにコンサル転職のメリットを紹介します。
大きくは、以下5点です。

  1. 速いスピード感で成長できる
  2. ポータブルスキルを取得でき、幅広に活躍できる土台を築ける
  3. 多少のことでは動じない胆力が身につく
  4. 昇格スピードが速く、若くして責任あるポジションに就ける
  5. 高年収を得られる

それぞれ見ていきましょう。

速いスピード感で成長できる

コンサルタントは、新人/ベテラン関係なくクライアントからいちコンサルタントとして見られ、高額のフィーに値する価値提供や立ち居振る舞いが求められます。
または、クライアント企業の社員だけでは解決できない課題を、限られた時間の中で解決することが使命であり、短期間で自身を最大限にストレッチさせることが求められます。
そのような環境下で業務遂行していく為、圧倒的に成長スピードが速く、事業会社の3倍のスピード感で成長できると言われています。

一例ですが、データ分析ひとつにしても、私は事業会社時代に数年の経験を重ねても、エクセルで関数もショートカットもまともに使えず、Vlookって何?Ctrl+Cって何?程度のレベルでしたが(恥ずかしながら・・)、コンサルではわずか1~2か月で、関数やショートカットを駆使したデータ分析ができるようになりました。

従って、より早い成功を志向する方には最適な環境でしょう。

ポータブルスキルを取得でき、幅広に活躍できる土台を築ける

コンサルタントの業務は多岐にわたりますが、ざっくりと言えば、課題を明確化し、解決策を検討・提案して、その実現をリードしていくことです。
その為に、仮説思考力・論理的思考力・データ分析力・インタビュー力・資料作成力・ファシリテーション力など、様々なスキルを駆使して業務遂行します。
そしてこれらのスキルは、プロジェクトや業界・会社が変わっても持ち運び可能なポータブルスキルです。

活躍しているコンサルタントは、特定領域のプロジェクトに限らず、様々なテーマのプロジェクトで価値発揮しているので、コンサルタントの仕事を通じて、幅広に活躍できるポータブルスキルを身に着けることができるでしょう。

多少のことでは動じない胆力が身につく

先ほど挙げたポータブルスキルが、いわゆるハードスキル的な位置づけであれば、ここで挙げた胆力はマインド面でありソフトスキル的な位置づけです。

一般的な事業会社の場合は、社内外に関わらず、一緒に仕事する相手は担当者クラスや主任クラスが多いと思います。
一方でコンサルタントの場合は、業務の性質上、クライアント側の仕事相手は部・課長クラス、場合によっては役員クラスです。
また社内でも、パートナーやディレクター(事業会社における執行役員や部長クラス)を相手に説明や議論が求められる場面も多々あります。

日常的に、より上位クラスの方々との議論をリードし、合意形成を得ることを繰り返していきますので、それなりのプレッシャーと日々闘うことが強いられます。
しかし、そういったプレッシャーのかかる場面で成功体験を重ねていくことで、自分自身のパフォーマンスに自信が持てるようになり、多少のことでは動じない胆力が身に付きます。

昇格スピードが速く、若くして責任あるポジションに就ける

ファームによって昇格要件の甘辛具合が異なるので一概には言えませんが、新卒でファームに入社し、順調に成果を挙げていくと、30歳前後で管理職であるマネージャーに昇格できるケースが多いです。
特に優秀なコンサルタントの場合は、30代半ばでパートナー(役員相当)になる方もいるようです。
またコンサル業界は、新卒至上主義かつ年功序列の色は極めて薄い為、中途入社でも実力があれば、入社3~4年でマネージャーに昇格することもあります。

一方で日系大手を中心とした事業会社は、近年は若干変化していますが、一般的には新卒入社して30歳前後で係長・主任クラス、40歳前後で課長クラス、50歳前後で部長クラスといったスピード感ではないでしょうか。
中途入社した場合も、同業で管理職相当の経験がない限り、入社後数年で管理職になれることも稀かと思います。

コンサルタントとして価値提供できていることが前提にはなりますが、このことからコンサルタントの昇格スピードの速さが理解頂けると思います。

高年収を得られる

昇格スピードの速さとも関係しますが、若くして高年収が得られることもコンサルの魅力です。
個別企業ごとではバラつきはありますが、某人材紹介企業の調査によると、30代での業界別平均年収の1位にコンサル業界がランクインしています。

本ブログで主な対象としているBig4、アクセンチュア、アビームの各社における平均年収は以下の通りです。(OpenWorkより)
※ 勤続年数・ランク・業績・評価等によって変わる為、以下平均年収が保証されているわけではないことはご留意願います。

また高年収と同様、毎年の昇給額も事業会社と比較して高いことも魅力です。
私は事業会社時代、年次昇給額はせいぜい数千円程度でした。

一方でコンサルファームでは、昇格しない場合、本年度の基本給に、評価をもとにした昇給率を掛け合わせて次年度の年収が算出されます。
例えば本年度の基本給が800万円、昇給率が3%の場合、昇給額は24万円(/年)です。

また昇格する場合は、数百万円単位で年収が増加します。
順調に成長すれば、コンサルは凡そ3~4年に1度のペースで昇格するので、3~4年単位で数百万円レベルの昇給が見込めることになります。

コンサル転職において認識しておくべきこと

既述の通り、コンサル業界への転職を目指すにあたり、コンサル業界の現実も認識しておくべきです。
私や同僚コンサルの経験を踏まえ、認識しておくべきコンサル業界の現実も紹介します。

私の感覚として、特に認識しておくべきことは以下5点です。

  1. 仕事の大部分は地味で泥臭い
  2. 必ずしも構想策定から実行支援まで携われるわけではない
  3. 必ずしもクライアントから歓迎されるわけではない
  4. プロジェクトが変わるたび、膨大なインプットと早急なキャッチアップが必要
  5. 立ち上がり段階では苦労する場合が多い

それぞれ見ていきましょう。

仕事の大部分は地味で泥臭い

コンサルといえば、大企業の重役に対し、スマートなプレゼンで改革に向けた提言をしていくようなキラキラした姿を想像する人がいるかもしれません。
確かにそういった場面もゼロではありませんが、基本的に稀と認識しておくべきです。

一例ですが、コンサルの実働部隊の主な仕事は、プレゼン資料の作成に向けた膨大な情報収集・インタビュー実施・データ分析や、クライアント側担当者との侃々諤々の議論および議事録作成、プロジェクトマネジメントでの各種管理業務(例 課題管理)など、地味で泥臭い仕事が大半を占めます。

つまりコンサル側もそれなりに汗をかくことになり、キラキラした姿のみに憧れて入社した人にはギャップに感じるかもしれません。

必ずしも構想策定から実行支援まで携われるわけではない

総合系をはじめとしたコンサルファームのウリとして、総合力を活かした構想策定から実行支援までの一気通貫支援が挙げられます。

しかしそれは会社対会社での話であり、プロジェクトマネージャーでない限り、個人が同一プロジェクトで構想策定から実行支援まで携わることは、極めて稀と認識しておくべきです。(あるプロジェクトでは構想策定、別のあるプロジェクトでは実行支援に携わることはあります)

従って、以下の記事でも紹介している通り、面接試験の志望動機で「御社では構想策定から実行支援まで携わり、クライアント企業の変革に寄与できる」的な内容は、基本的には薄い内容と受け取られやすいと心得ておいた方がよいでしょう。

必ずしもクライアントから歓迎されるわけではない

コンサルファームの採用HP等で、コンサルのやりがいとして「クライアントに感謝されること」と語っている社員インタビューを目にしたことがある人も少なくないでしょう。
私もクライアントから感謝されたときは嬉しく感じるので、そのことは否定はしません。

しかし、プロジェクトには多くのステークホルダーが存在し、中には今までのやり方を変えたくない人、冷ややかな目で見る人も少なからず存在するもので、そのような人にはコンサルは厄介な存在である場合もあります。
またクライアントにとっては、コンサルだから出来て当たり前と考える場合もありますし、充分に価値発揮できないと、感謝されるどころか、非難やクレームをもらい、場合によってはメンバー交代をリクエストされる場合もあります。

従って、コンサルとしてプロジェクトを遂行すると、必ずクライアントから感謝される・・・というわけではないことは認識しておくべきです。

プロジェクトが変わるたび、膨大なインプットと早急なキャッチアップが必要

事業会社の人事異動では、職種や事業部を越えた異動は少なく、異動前に得た知識が異動先でも活かしやすいと思います。
一方でコンサルは、プロジェクトが変わるタイミングで、担当するクライアント企業も変わることが一般的であり、その都度、クライアント企業の業界知識や業務プロセス、システム構成、専門用語、企業文化等の膨大な情報をインプットする必要があります。

またコンサルのプロジェクトが変わる周期は、戦略系は凡そ3か月~半年程度、業務系は凡そ1年程度が相場の感覚です。
従って、事業会社と比較して短期間で業務内容が変わり、その都度ゼロからクライアント企業の情報をインプットして、プロジェクトの動きにキャッチアップすることが求められます。

頑張って知識を吸収しても、プロジェクトが変わるとまたゼロからの知識吸収が必要になり、しかもそれが頻度高く生じる為、そのことに苦痛を感じる人も少なくないでしょう。

立ち上がり段階では苦労する場合が多い

特に未経験でコンサルファームへ中途入社する場合、多くの人は事業会社在籍時の成果や経験に自信を持っていると思います。
にもかかわらず、ファームのマネジメント層には、中途入社者の即戦力化に課題を持つ方は決して少なくありません。

このことは、事業会社で取得したスキルと、コンサルで求められるスキルにアンマッチが生じていることが、要因の1つとして挙げられます。
つまり、事業会社では業界知見や、その会社内の業務プロセスの知見等は身に付きますが、コンサル特有の業務(例 プロマネ、システム導入等)やスキル(例 ロジシン、資料作成 等)は事業会社で経験する機会が乏しく、業界知識はあるが成果物を作れない、プロジェクトをリードできない、従って価値提供できずに苦しい思いをする可能性があります。

コンサルは就職するのも大変ですが、生き残ることは更に大変と言われており、立ち上がり時の大変さに耐えられず、ファームを去る人も少なくありません。
コンサル特有の仕事の進め方やBehaviorを身に着ける為、特に立ち上がり時には大変な苦労が生じるものと心得ておくべきでしょう。

 

この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。

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