コンサルの面接で有利な資格はありますか?
まず資格を取得してからコンサルの選考に応募すべきですか?
コンサルの面接でも実務経験が重視されますので、資格取得に労力を割くより、実務で成果を挙げることに注力する方がよいでしょう。ただ応募要件となっている、或いは保有すると有利な資格も存在します。以下で解説します。
この記事では、Big4(PwC・デロイト・EYSC・KPMG)やアクセンチュア、アビームなど、大手総合系コンサルファームへの転職を考えている方を対象に、これらのファームの選考で求められる資格を紹介します。
英語関連の資格
英語資格といえば、TOEICが挙げられるでしょう。
応募するユニットにより異なりますが、大手ファームの応募要件にもTOEICスコアや英語力が記載されています。
TOEICスコアが高ければ即採用ということはありませんが、少なくとも応募要件となっているスコアはクリアしておくべきです。
またファームによっては、TOEICスコアがグローバルプロジェクトへの参画要件となっている為、入社後の自身の選択肢を広げる意味でも、TOEICで高いスコアは取っておくべきです。
23年6月現在のBig4、アクセンチュア、アビームの応募要件における英語力を、私が所属している経営管理領域のユニットを対象に比較しました。(※ ユニットによって英語力の応募要件は若干異なります)
人によって若干異なるようですが、ビジネスレベルの英語力とは、一般的にTOEICスコア750点以上を指すようです。
システム関連の資格
どのプロジェクトも何かしらの形でシステムが関わっており、コンサルにとってシステムに関する知見は今や不可欠です。
各ファームの応募要件には、業務コンサル/ITコンサルに関わらずシステムに関する記載があり、システム関連の資格は面接官の評価を得やすいです。
大手ファームで業務コンサルを目指すのであれば、私がお勧めするのが、SAPをはじめとした各種パッケージシステムの認定資格です。
業務コンサルには、システムで何が実現できるか、業務をどう変えることができるか(またどのような制約があるか)という視点が必要で、認定資格取得の過程で、そのあたりの知識を得ることが出来ます。
従って、選考時にシステムの知見があることをアピールできますし、入社後のコンサルワークにも十分に活かせます。
但し、全く業務経験のないシステムではイメージが湧きづらく、あくまで実務経験が重視されることには変わりないので、闇雲に認定資格を取得するのでなく、自身の業務と関わりがあるシステムに絞って認定資格を取得することが望ましいです。
資格に限りませんが、私の所属している経営管理領域のユニットを対象に、23年6月現在でのBig4、Accenture、Abeamの募集要項でシステムに関する応募要件を以下に記載します。
簿記・会計士などの会計資格
簿記・公認会計士資格は、応募するユニットによって要否は分かれます。
財務・会計等のユニットでは、簿記資格の保有が応募要件となっていたり、公認会計士が優遇されたりします。
一方、会計知識が不要なユニットでは、会計資格は必須ではありません。
従って、応募するユニットの特性により取得要否を判断すればよいです。
また、財務・会計ユニットでは応募要件に公認会計士やUSCPAが記載されていますが、在籍している事業会社やコンサルティングファームで会計実務に携わっていれば、必ずしも必須ではありません。
実際、私は会計資格を簿記2級しか持っていませんが、管理会計の業務を経験していた為、どのファームの書類選考もパスし、面接でも資格について特に問われませんでした。
ただし、会計業務を未経験で、大手ファームの財務・会計ユニットに転職したい場合は、最低でも簿記1級は欲しいところです。
以下に、23年6月現在で、各ファームにおける財務・会計ユニットの応募要件となっている会計資格を挙げます。
ExcelやPower PointなどMicrosoft Officeツールの資格
Microsoft Officeツールの資格といえば、まずMicrosoft Office Specialistが挙げられるでしょう。
また他の資格として、PowerPointプレゼンテーション技能認定、Excel表計算処理技能認定試験、日商PC等も挙げられるかと思います。
これら資格は各ファームの応募要件にはなく、強いて挙げれば、Accentureで望ましいスキルとしてプレゼンスキルが挙げられているくらいです。
従って、各ファームの選考に向けてこれらの資格取得に時間を費やすことは不要です。
ただ一点留意頂きたいことは、これらのスキルが不要というわけでなく、むしろ入社後に大変重要になるスキルです。
従って、選考対策の為というより、自身のスキル向上の為にこれら資格を取得することは望ましいです。
経営関連の資格(中小企業診断士、経営学検定、経営士)
経営に関する資格は、中小企業診断士・経営学検定・経営士等が挙げられます。
特に中小企業診断士は知名度もあり、コンサルティング転職に活かせる資格と紹介されています。
ただ、Big4等の大手ファームの選考に関してはどうでしょうか?
各ファームの応募要件に経営関連の資格を記載しているファームはDeloitteでの中小企業診断士のみで、他ファームでは要件として記載されていません。
またDeloitteでの中小企業診断士も財務・会計ユニットのみに記載された要件ですが、いずれにしても資格より実務経験の方が重視されることは間違いないです。
特に中小企業診断士は合格する為の負担は決して小さくないので、資格取得に要する時間・費用に対する効果という観点から、選考の為に取得することは不要でしょう。(もちろん、自身の知見を広げる為に取得することはアリだと思います)
まとめ
これまでの内容を以下に纏めます。
- 英語力は応募要件となっているTOEICスコアはクリアする
- 自身が携わっているシステムを対象に認定資格を取得すると評価対象となり易い
- 会計資格はユニットにより取得が求められる(ただし会計実務経験者は必須ではない)
- Microsoft Officeツールや経営関連の資格は選考には不要
ただ、いずれのファームも資格より実務経験が重視され、この資格があれば即内定ということはありませんので、資格取得の為に現業を疎かにせず、まず現業を最優先し、時間あれば資格を取得するくらいのスタンスでよいと思います。
この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。