資料作成の正しい手順とは

資料作成

私はコンサルとして、これまで多くの資料作成やレビューをしてきましたが、資料作成者には、読み手に理解してもらえる資料を効率的に作成できる人もいれば、読み手に伝わらず、何度も手戻りが発生してしまうような資料作成効率が悪い人もいました。

その違いは何でしょうか?

もちろん、資料作成の経験値や、パワポの機能・ショートカットの知識などは、一つの要因かもしれません。

しかし、どれだけ資料作成に慣れていても、資料に書くべきことが次々に閃き続けることはあまりなく、どれだけパワポの機能やショートカットを使いこなせても、読み手に理解してもらえる資料を作成できるとは限りません。

私がこれまで見てきた限り、効率的に資料を作成できる人は、意識する/しないに関わらず、適切な資料作成手順を踏んでいました

本記事では、読み手に理解してもらえる資料を効率的に作成出来るようになるための、資料作成手順を紹介します。

この記事は、以下の方を対象にしています。

  • 企画書・稟議書・報告書等のビジネス資料の作成や、コンサルタントなどのプロフェッショナルサービスに従事するビジネスパーソン
  • パワポやExcelは操作できるが、資料作成に苦手意識があり、資料作成スキルを高めたいビジネスパーソン

資料作成の目的・読み手を明確化する

資料作成の際にまず重要なことは、その資料で達成するべき目的や、その資料の読み手を明確にすることです。

何故なら、何を目的とし、誰に読んでもらう資料なのかを意識しないと、読み手が関心のある情報の取捨選択や、ストーリー構成の検討が十分に出来ない為です。

詳細は以下の記事で紹介しているので、こちらもご覧ください。

資料作成に着手する前に、資料に反映する情報を洗い出す

次のステップは、資料に記載する情報をブレスト的に洗い出していくことです。

この段階では、ストーリー構成や細かい文章表現、図解等はひとまず考慮せず、資料に載せる候補となる情報をひたすら洗い出していきます。

情報の洗い出しは頭の中だけで行うのではなく、後段のステップでストーリーを構成したり、文章を推敲したりするために、ExcelやWord等に箇条書きで洗い出していきます

私は文字を書くことで考えが整理し易くなるので、まずはストーリー構成をあまり考えず、ルーズリーフ等に走り書きしながら、資料に書くべき情報をブレストしています。

そしてある程度洗い出せたと感じたら、Excelに箇条書きでそれらの情報を記載していくという手順を踏んでいます。

この段階でもまだストーリー構成はあまり気にせずに、箇条書きしていきます。

また資料作成では、読み手が知りたいこと、知る必要があることを資料に反映することが重要な為、Excel等に箇条書きで洗い出した後、最初のステップで明確にした目的と読み手を意識して、資料に反映する情報を取捨選択します

そして、取捨選択した情報は、読み手が読みやすい文章になるよう、メッセージ化します。

資料におけるメッセージの書き方は、また別の記事で詳しく説明したいと思いますが、特に重要なポイントを3点挙げます。

  • 冗長さを省き、可能な限り端的に表現する。
  • 同一定義の内容は、同じ用語で表現する。
  • 読み手によって解釈の違いが生じないよう、抽象的な表現を避ける。

メッセージを並び替え、資料構成の骨格を作成する

ステップ2で必要な情報を洗い出してメッセージまで作成すると、資料の目的や読み手を踏まえ、どのような順番でメッセージを並べると(つまり、どのようなストーリーで伝えると)読み手に理解してもらえるかを考えながら資料構成を検討していきます

また、資料構成における前後関係等を踏まえて、最適な接続詞を追加するなど、メッセージもブラッシュアップします。

尚、一般的に各スライドの最上部にはそのページのタイトルを記載しますが、タイトルもこのタイミングで検討することが多いです。

この段階でPPTを用いても良いですが、Excelを用いるとショートカットキーを活用することで簡単にメッセージの順番を並び替えることができ、且つ、ひと目でメッセージの並びが分かる為、私はExcelを用いて検討することをおススメします

※“Ctrl”+“X”と“Ctrl”+“Shift”+“+”のショートカットを用いて、行の入れ替えが可能です。

ちなみにこの段階では、メッセージに合わせてどのような図解を作成するかは、概要レベルでは検討しますが、まだ細部までは作り込みません。

あくまでメッセージの並び替えとブラッシュアップ、タイトルの検討に注力します。

この資料構成の状態は、資料の骨格とか骨子と呼ぶことが多いです。

コンサル業界ではスケルトンと呼ぶこともあります。

資料が完成してからではなく、まず骨格の状態でレビューしてもらう

資料を顧客に提示する場合、同じ部署の上位者にレビューしてもらうことが一般的と思いますが、皆さんはどのタイミングで上位者のレビューを受けているでしょうか?

資料を細部まで作り込んだ後に、はじめて上位者にレビューしてもらっている方もいるのではないでしょうか?

資料作成者のスキルにもよるため、唯一の方法はありませんが、まだ資料作成に慣れていない段階、或いは苦手意識がある段階では、細部まで資料を作り込んでからではなく、骨格の段階で上位者にレビューしてもらうことを、強くお勧めします

なぜなら、資料を作り込んでしまうほど、仮に修正が必要になった場合に手戻りが大きくなってしまい、これから資料修正に要する時間、これまで資料作成に要した時間の両方が無駄になってしまう為です。

逆に、骨格の段階ではまだ細部まで作り込んでいない為、仮に修正が発生しても、手戻りは最小限に抑えることができ、無駄な時間を抑えることができます。

作成する資料の難易度等にもよりますが、コンサルティング業界では、以下3段階のレビューを経て資料を作り込んでいきます。

  1. 目次レベルで全体構成を検討した段階でレビュー
  2. メッセージを並び替え、骨格ができた段階でレビュー
  3. 文章表現を整え、チャート・図解等も用いて細部まで作り込んだ段階でレビュー

特に完璧主義者の方は、資料がまだ作り込まれていない段階でレビューを受けることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

しかし、重要なことは、細部まで凝った資料を最初から作り込むことではなく、中身がしっかりした資料を上位者と認識にズレが生じないよう効率的に作ることなので、是非実践してみて頂ければと思います。

文章を整えて図解も駆使し、資料を仕上げる

骨格段階でのレビューをクリアできると、メッセージ等の文字表現の推敲や、図解等による表現も駆使して、細部まで資料を作り込んでいきます

この段階では、全体のストーリー構成はもちろん、細かい「てにをは」の表現や、全体としての平仄、フォント、オブジェクトの位置、配色等々・・細かい部分まで徹底的に作り込みます。

ステップ4で少し触れましたが、細部まで作り込んだ段階で、上位者に最終レビューをしてもらい、資料を最終化します。

ところで、特に資料作成経験が浅い、或いは苦手意識をもつ方は、図解を用いて表現することを避ける方が一定数いるように感じます。

私もコンサル駆け出しの頃は資料作成に苦手意識を持っており、図解するノウハウが乏しく、図解を避けて文章だけに頼った資料を作りがちでしたので、図解を避けたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、イメージしていただければ分かると思いますが、文字だらけの資料は、読み手として読みたくないですよね(笑)

仮に読むだけの気力があっても、読むことに大変苦労します。

資料を作成する立場ではあまり感じないかもしれませんが、レビュー等で資料を読む立場になると、文字だらけの資料を読まされることは本当に疲れるということが分かると思います。

なので、特に文字だけでは理解し難いと思われる内容は、図解を用いるべきです

別の機会で図解の方法に関する記事も挙げたいと思いますが、図解にはいくつか参考となるイメージはあっても、基本的にはメッセージをもとにオーダーメイドで作成する必要があり、どのような資料にも当てはまる汎用的な図解はあまりありません。

従って、経験がモノをいうので、とにかく書いて、指摘され、作り込むという経験を多くすることが重要です。

あとは上手な人を真似ることでしょうか。

とにかく安易に文字だらけの資料に頼らず、まずは間違ってもいいので、図解してみるという意識を持つことが大切です。

さいごに

如何でしたでしょうか?

特に資料作成に慣れないうちは、何かを書くことが目的になり、いきなりパワーポイントを開いて何か書き始めるという光景を目にすることがあります。

しかしよほどスキルが高くない限り、いきなりパワーポイントと向き合っても、高品質な資料を作成することは、なかなか難しいでしょう。

少し遠回りに思えるかもしれませんが、この記事で挙げた手順を踏んで資料を作成することで、私自身も、以前より出来の良い資料を作成できるようになったと感じました。

従って、是非皆さまも一度試して頂ければと思います。

この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。

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