伝わる資料の作成方法とは?ビジネス資料の作成における4つの大原則

資料作成

私はコンサルファームでの仕事で数多くの資料を作成し、資料作成の社内講師も務めてきました。
その中で多くの資料に触れるに連れて、読み手に伝わる資料を作成するには、PowerPointを巧みに操作できることや、Excelで綺麗に表を作れることも大切ですが、それ以上にあるべきメソドロジーに則って資料を作成することが重要という気づきに至りました。

本日のテーマは、伝わる資料を作成するために則るべき4つの大原則についてです。
企画書や報告書等の資料作成やコンサルタントをはじめとしたプロフェッショナルサービスに従事する方、またPowerPointやExcelは操作できるが、資料作成に苦手意識があり、資料作成スキルを高めたい方に参考になると思います。

それでは一緒に学んでいきましょう。

【原則1】資料の目的を明確にする

1つ目の大原則は、その資料で達成するべき目的を明確にすることです。
ここでの目的とは、例えば、意思決定してもらう、方針を擦り合わせる、情報共有する、などです。
目的を明確にする理由は、資料の読み手は誰で、その人に何をしてもらう必要があるのか?が不明確のまま資料作成に着手しても、主張すべき内容もストーリー構成も定まらず、何を言いたいか分からない資料となってしまう為です。

また明確化した目的は、資料に明記することが重要です。
資料に目的が明記されていないと、読み手は何故その資料を読まされているのか理解できず、消化不良を起こしてしまう為です。
例えば、資料の説明中に「今日の目的は何だっけ?」と口を挟まれた経験がある方もいるのではないでしょうか?
その場合、多くは目的が資料に明記されておらず、故に読み手が目的を理解しないまま本題の説明を開始してしまう為に生じています。
従い、資料の冒頭には目次だけでなく、目的も記載するようにましょう。
そして、なぜそのような目次なのか?と読み手に思わせない為に、以下のイメージのように、目的は目次よりも先に記載することが望ましいです。

【原則2】読み手が理解しやすい資料構成・表現とする

2つ目の大原則は、資料のストーリー展開が分かり易く、且つ端的な表現や図解を用いることで、読み手が理解する為の負担を極力排除することです。

資料作成に余程慣れていない限り、ストーリー展開を充分に設計せずにパワポで資料作成を開始すると、何が言いたいか分からない資料になりがちです。

従い、パワポで資料を作成し始める前に、まずストーリー展開を設計することが重要です。
ストーリーの設計手順は以下の記事で解説しています。

また人は長い文章を読むことが基本的に苦手で、文字だけで構造や関係性を理解するには苦痛が伴います。
多忙なビジネスパーソンであれば、長い文章を読む時間もありません。

従って、無駄な文字を削ぎ落すとともに、文字だけでは理解し難い内容は図解することによって、読み手が資料の内容を理解するための負担を出来る限り緩和することが重要です。

【原則3】具体的な表現を用いる

3つ目の大原則は、具体的な表現を用いることです。
資料に用いている表現の抽象度が高いと、読み手が資料の内容を十分にイメージできない、或いは読み手によって異なる解釈をしてしまう可能性がある為です。

これまで、資料のプレゼンターが、読み手から「具体的にどういうこと?」「どういうイメージ?」「どういう意味?」等の質問を受けている場面を多く見てきました。
従って、この点は資料作成において多くの人が出来ていないポイントかと思います。

具体的な表現が欠けている要因は、主に以下のいずれかです。

  • そもそも具体的内容まで深く思考できていない(思考が浅い)
  • 具体的に思考できているが、抽象表現を多用してしまっている(表現が拙い)

前者の場合は、「具体的にどういうこと?」「具体的にどのようなイメージ?」を徹底的に考える習慣を身に着けることが重要です。
後者の場合は、「この表現で読み手は理解できるか?」と繰り返し自問し、表現の解像度を上げていくことが重要です。

【原則4】資料の体裁・見栄えを整える

4つ目の大原則は、資料の体裁や見栄えを整えることです。
体裁や見栄えを整えることにより、洗練された印象を読み手に与えることが出来ます

逆に体裁や見栄えが整っていないと、読み難さや拙さを読み手に感じさせたり、場合によっては資料作成者の仕事に対する不信感を与えたりすることにも繋がりかねない為、侮れない要素です。

体裁を整えるポイントは多く存在しますが、例えば以下を意識するだけでも資料の印象は良くなります。

  • 文章の「ですます調」を統一する
  • フォントを統一する
  • 句点(。)の有無を統一する
  • 色調を統一する
  • オブジェクトを上下左右に整列させる

体裁を整えるポイントは以下の記事で、より幅広に紹介しています。

 またオブジェクトの整列方法は以下の記事でも紹介しています。

この記事で紹介する内容は以上です。
少しでも参考になれば、幸いです。

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